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「ととのう宇宙ラウンジ」特別企画
宇宙飛行士 山崎直子さんインタビュー

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現在「ととのう宇宙ラウンジ」のイベントは終了しております。

「ととのう宇宙ラウンジ」のテーマ「宇宙」に関連し、日本人宇宙飛行士としてスペースシャトルディスカバリー号に搭乗した山崎直子さんと、KDDI技術戦略本部で宇宙を担当している市村周一が、宇宙での実体験や宇宙事業で実現したい未来について対談を行いました。

山崎直子さんインタビュー「宇宙視点でつながる世界」

さまざまな体験型イベントを開催しているKDDIのコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」において、2022年12月1日から、訪れた人が宇宙空間に没入することでデジタルヒーリング体験ができる「ととのう宇宙ラウンジ」を開始いたしました。

GINZA 456「ととのう宇宙ラウンジ」

この体験イベントの実施にあたり、そもそも宇宙とはどういう空間なのか。イベントのコンセプトや概要などをテーマに、宇宙飛行士である山崎直子さんに話を伺いました。

インタビュアー:KDDI 市村周一
元 国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟 JAXAフライトディレクタ/現 KDDI株式会社 技術戦略本部にて、月面通信や宇宙と地上に共通する生活課題検討など宇宙関連事業を担当。

※GINZA 456「ととのう宇宙ラウンジ」についての概要はこちら

宇宙は“落ち着きを感じる”場所

市村:宇宙空間はどういうものなのか。山崎さんが初めて宇宙に行ったときに感じたことを教えていただけないでしょうか。

山崎:私が初めて宇宙空間に到達したときに感じたのは、すごく懐かしいなという思いと、細胞ひとつひとつが活性化して喜んでいるような「懐かしさと喜び」でした。壁一枚隣り合わせてそこには死の世界が待っているという緊張感がありながらも、無重力に包まれて、窓の外には青い地球が輝いている…。そういう空間にいると、私たちも地球も宇宙の一部であり、大きなもののなかに包まれているという、そんな落ち着きを感じました。

市村:大きな空間に身を委ねるような、リラックスした感覚でしょうか。

山崎:そうですね。ただしそれは、温かい布団に入って心地よい音楽を聞いているような、そんな日常のリラックスではないかもしれません。今の世の中は分断されている社会と言われていますが、私たちの身体はもともと宇宙のかけらでできており、地球のみんながそうであることから、宇宙までいくとみんな兄弟のような、「同じ宇宙のもと」という感覚が共通認識になります。そういう「宇宙に包まれている、共有されている」という感覚でのリラックスを感じました。

“瞑想”と“リラックス”をくりかえす「ととのう宇宙ラウンジ」

市村:今回、KDDIのコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」で開催される「ととのう宇宙ラウンジ」の企画内容を聞いたときの印象を教えていただけないでしょうか。

山崎:まずは銀座のど真ん中という、すごいところに宇宙ができたものだなとびっくりしました。科学館や博物館のように科学に興味がある人向けの施設とはまた違った観点で、普段から人が行き交う場所に体験施設をつくるという取り組みは、とても素敵なことだなと思います。

何より「集中」と「リラックス」をプログラムのなかで交互に繰り返すという、その企画内容に感動しました。宇宙は虚無の世界であり怖い世界でありつつも、落ち着く場所でもある…そんな宇宙の両面を、集中する場面とニュートラルにリセットできる場面で表すというのは、すばらしいアイデアだと思います。

瞑想タイム

リラックスタイム

山崎:そして今回のGINZA 456の体験では脳波も測定すると聞きました。脳は集中しているときはその一部しか使われず、ほかが怠けている状態で、逆に電車のなかからぼおっと窓の外をみているときなどは、脳全体を均等に使っている状態、つまり「ととのう状態」になっているということを訓練のなかで聞いてきました。

そのため、実際に宇宙でのミッション中、忙しい時にふと星や青い地球を見ると、自然と気持ちがリセットされていく気がしていましたので、今回の企画内容に集中とリラックスする場面が交互にあるということは、本当に素敵だなと思っています。ぜひ私も実際に体験できることを楽しみにしています。

GINZA 456「ととのう宇宙ラウンジ」

市村:ありがとうございます。地球上では無重量環境の再現が難しいのですが、少しでもその感覚に近づけるよう、地下一階のスペース全面を使い、没入感の高い宇宙空間を作り上げています。

山崎:いいですね。真っ暗ななかにいると上下左右の感覚が薄れてきますので、無重量環境に近づくと思います。

“同じ地球人”として世界が共通の方向に向かうための取り組み

市村:KDDIは今回の取り組みのほかにも、Starlinkを活用した新たな衛星通信サービスの提供、世界的に盛り上がりを見せる国際月探査「アルテミス計画」に向けた月面での通信環境構築検討、キッザニア福岡での宇宙訓練センターを通した次世代教育など、さまざまな領域で宇宙事業を推進しています。

©Kidzania

山崎:宇宙でも通信はとても大切です。宇宙にいても国際宇宙ステーションとの通信を経由して、地上の家族や友人、同僚とつながっているという心の拠り所になっています。将来、月に行ってもスマホが使えるような世界にするというのは、本当に素敵なビジョンだと思いますし、KDDIの「どこに行ってもつながる世界をつくる」というコンセプトに共感いたします。

市村:ありがとうございます。将来インフラを構築したあとは、メタバースなどバーチャルでいろんな国の子供たちが集まれるような未来を実現したいと思っています。

山崎:素敵ですね。私の夢がまさに「月に学校をつくること」ですが、若い人たちが修学旅行やあるいは別のかたちで月に滞在し、そうやって国や地域を超えて集まった人たちが、月で地球を見ながら地球のことを学ぶ。そしてまた地球に戻り、それぞれの国や地域で大人になっていく…。そういう世界になると、世の中がもっとつながっていくのではと考えています。

余談ですが、ヨーロッパでもフランスとドイツが共通の教科書をつくろうと、この10~20年取り組んでいるのをご存知でしょうか。お互いに考え方や歴史感が違うので調整が難航していましたが、今は両論併記で落ち着いたと聞いています。このように歴史をひとつに決めるのではなく、いろんな価値観のなかから共通点を見出して未来へ向かっていく。将来、世界中が共通の方向に向かうために、月の学校というものがシンボルとしてあるとよいかなと考えています。

市村:みんな同じ地球人であって、違いがあってもお互いを認め合うという考え方は素敵ですね。そのような未来に向けて、KDDIは人と人、地球と宇宙をつないでいけるようこれからも取りくんでいきたいと思います。

―KDDIはこれまで通信のチカラでコミュニケーションを中心に人々をつなげてきました。これからもITや通信のチカラを駆使し、現在と未来、人と文化をつないで守っていきます。

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